松本アヤ 20歳 大学生。私の朝は一杯のコーヒーで始まる。いい香りだ。サイフォンで入れるコーヒーはやはり香りが格別だ。紳士ごっこに興じていると時計の針が長短共に12を指す。うん。こりゃアウトだ。間違いない。携帯電話がけたたましく鳴り響く。上司からだろう。「…この電話に出たら俺結婚するんだ。」心の中にそっと死亡フラグを立てて通話ボタンをぽちっとな。そして罵声。大丈夫。これぐらいは想像の範疇だ。スカウトたるもの多少の暴言にはへこたれない。だが、まてよ…そうだ。今日は面接日だった。履歴書を見た限り、かなりの上玉だったはずだ…こうしてはいられない。他の野郎に任せるわけにはいかない。あの子のデビューは俺が飾るんだ!私は湧き上がる仕事への向上心に驚きを隠せなかった。しょうがねェ…上司の野郎に後で一発土下座っとくかな…。下げて済む頭はいくらでも下げる。これが俺のジャスティス!ラブアンドピースが俺のテーマさ。惚れても…いいんだぜ。幸運なことに面接場所は我が家の近くだった。昨日ハメ撮りしていたのが幸いして、カメラを持参できたおかげで、待ち合わせの時間ちょうどに女の子と接触ができた。人懐っこい笑顔と明るさが好印象。アヤと名乗ったその女性のことを私はもっとよく知りたくなった。面接だけで済ますわけにはいかない…。聞けば、応募した理由も金銭的なものではなく、性への興味のほうが強いのだという。これは久々に本気で挑むことができそうだと心が躍った。お金目当てで飛び込んでくる子は目的さえ果たせば、すぐ連絡つかなくなることが多いが、性に興味を持って応募してくれた子は満足させてやれば、長く活躍してくれるからだ。俺の全ての技術を使いこの娘を満足させ、全国の同胞達にその姿を届けなくては…男としての本能が、スカウトとしての情熱が燃えたぎるのを感じた。